従業員が暴露する外資系金融の給与の実態




高給取りで有名な外資系金融の給与水準についてまとめます。

外資系金融の給与水準についていろんなサイトに情報がありますが、リーマンショック前のかなり高い水準が書かれているなど、今の実態とは離れた情報が掲載されていることも多いです。

当記事では、自分の経験と友人たちへのヒアリング、さらには財務データを使って外資系金融の給与水準をまとめているので、かなり実態に近い数字になっていると思います。

外資系金融に入社したいと思っている就活生、転職希望者の参考になるように、外資系金融のベースサラリーとボーナスの水準、給与水準の過去の推移、日本とアメリカの給料の違い、などをまとめてみました。

外資系金融の給与体系(一般論)

ベースサラリーの決まり方

給料はベースサラリーとボーナスの2種類に分けられます。

ベースは年俸制で年間の給与が決められて、その12分の1が毎月の給料として支払われます。ベースサラリーはタイトル(役職)に応じて決まるため、年功序列の性質も強いです。

同じ部署内であれば5~6年目ぐらいまではだいたい横並びで給料が上がっていきます。

ただし、VP(ヴァイス・プレジデント)まではみんな横並びで上がっていきますが、ディレクターに昇格する時期は人によって変わるので、5~6年目ぐらいからは同期間でもベースサラリーに差が出てきます。

ボーナスについて

ボーナスは基本的に年1回で、M&Aのアドバイザリー等を行う投資銀行部門(IBD)が7~8月頃、トレーディングや株式営業等のマーケット部門が2~3月頃に振り込まれます。

ボーナスで一定額以上はストックオプションとなり、勤めている企業の株式の形で受け取ることになります。

一定額の水準は会社によって異なりますが、だいたい1,000万円ぐらいまでは現金で受け取り、それ以上の部分はストックオプションとして受け取ることが多いようです。

VP以上のタイトルの人はボーナスの一部がストックオプションであるケースが多いです。

ボーナスは基本的には成果報酬で決まります。1年目であっても同期の間でボーナスの水準が数百万円の差が生まれますし、5~6年目になるとその差が数千万円まで広がります。

実力主義の世界なので、若手のボーナスの方がシニアよりも高くなることはよくあります。

外資系金融の福利厚生

福利厚生としては、リロクラブなどの外部の会社から福利厚生のパッケージが提供されています。ホテルやスポーツジムなどの割引券をたくさんもらえるイメージですね。

これに加えて手取り給料に大きく影響を与えるのが、住宅の借り上げ制度です。

住宅を会社の名義で契約し、自分の給料から家賃が天引きされます。課税所得から家賃分が引かれるので、「家賃×所得税・住民税」の分だけ手取り収入が多くなります。

この住宅借り上げ制度はかなりありがたいんですが、基本的に福利厚生は日系企業に比べるとかなり劣っているので、あまり期待しない方がいいでしょう。
 

日本における外資系金融の給与水準(ベースサラリー)

タイトル別の給与水準

タイトル別のベースサラリーのイメージは以下の通りです。

  • アナリスト1年目:750万円
  • アナリスト2年目:900万円
  • アナリスト3年目:1,000万円
  • アソシエイト1年目:1,200万円
  • アソシエイト2年目:1,300万円
  • アソシエイト3年目:1,400万円
  • ヴァイスプレジデント(VP):1,500万円~
  • ディレクター/エグゼクティブ・ディレクター:2,500万円~
  • マネージング・ディレクター:3,500万円~

VP以上になると転職組が多く、同じタイトルでもベースサラリーに差が出てきます。

最近では投資銀行部門で若手のベースサラリーを上げる動きがあり、マーケット部門よりもベースサラリーが高くなっています。若手の離職率があまりにも高く、優秀な新卒が商社などに流れているのが背景にあります。

例えば投資銀行部門の場合、アナリスト1年目で900万円、アソシエイト1年目で1,500万円ぐらい貰えるようです。
 

マーケット部門でも会社の方針によって、ベースの水準に差が出ます。例えばある欧州系投資銀行のアソシエイト1年目のベースサラリーは1,300万円でしたが、同じマーケット部門でも別の米系投資銀行ではベースサラリーが1,600万円になったりします。

ただしこのケースでは、この米系投資銀行の方針として「ベースの水準を挙げてボーナスを下げる」という動きがあったため、このようなベースの差が生まれたようです。

なので上記のタイトル別の年収はあくまでも目安であって、上記を基準に部署や会社によってばらつきが出てきます。

外資系金融での昇進スピード

一般的な昇進のスピードはアナリスト3年間→アソシエイト3年間→VPとなっていますが、これは個人の能力に応じて変わってきます。

アナリストやアソシエイトを2年間しかやらずに飛び級で昇進するケースもあれば、逆に昇進に4年間かかる人もいます。同期の間でも昇進のスピードやベースの水準によって給料はかなり大きな差が出ます。

VPからディレクターになるのは通常だと3~4年かかりますが、ディレクターまでいけずにクビになる人も多いです。
 

日本における外資系金融の給与水準(ボーナス)

ボーナスはその年の会社の業績や個人の成績によってかなり変わってきます。なので下記のボーナスの金額は私の周囲へのヒアリングに基づくイメージです。

  • アナリスト:~1,000万円程度
  • アソシエイト:~2,000万円程度
  • ヴァイスプレジデント(VP):~3,000万円程度
  • ディレクター以上:ピンキリ

ボーナスの金額は同じタイトルでもかなり差が開きます。私が入社3年目(アナリスト3年目)の時のボーナスは、同期と500万円弱の差がありました。入社1年目のボーナスですら、同期の間で50万~400万円ぐらいのばらつきがありました。

ベースとボーナスを合わせると、入社1年目で年収1,000万円程度になり、IBDやトレーダーなどの給料の高い部署だと、入社3~5年目ぐらいで年収2,000万円のレベルまで到達できます。VPまで昇進すると年収2,000万~5,000万円ぐらいになると思います。
 

外資系金融でも1億円プレイヤーの数は減っている

ベースとボーナス合わせた年収1億円を稼いでいるプレイヤーは、以前と比べるとかなり数が減っていると思います。

投資銀行部門で大きな案件を取ったディレクター以上や、マーケット部門のトップトレーターやトップセールスなど、本当に一握りの人だけが年収1億円以上を稼いでいるイメージです。

後程紹介するゴールドマンサックスの平均年収も、リーマンショック前と比較するとかなり下がってきています。
 

部門による給与水準と労働時間の違い

まず、ベースの水準に投資銀行部門とマーケット部門で差があります。

投資銀行部門のベースサラりーは、マーケット部門の1年上の先輩と同じぐらいの水準というイメージです(例えば、IBDの3年目とマーケットの4年目のベースが同じぐらい)。
 

ボーナスの水準ももちろん部門によって差が出ます。

アソシエイトまでの若手のボーナスだと、投資銀行部門とトレーダーが最も高く、次いでセールス、リサーチという順番です。
 

労働時間は投資銀行>リサーチ>>>セールス>トレーダーという順番です。

月の残業時間が投資銀行部門だと200時間を超えて、リサーチ部門だと150時間を超えるぐらいのイメージです。

時給換算するとトレーダーが最も高く、リサーチが最も安くなります。

そのかわり、トレーダーの人たちはマーケットが開いている間は常に市況を気にしなければならず、投資銀行部門やリサーチの人たちと比べると濃密な時間の使い方をしているイメージがあります。

自分のPL(トレーディング損益)が数字として目に見えて分かるので、毎日の心理的なプレッシャーはとても大きいです。
 

ゴールドマンサックスの平均給与の推移

ゴールドマンサックス(GS)は世界一給料の高い会社として有名です。外資系金融はどこの会社も高給取りですが、日本でもGSの給料は他の外資系金融よりも高いと思います。

GSの決算書類より、平均給与を過去にさかのぼって計算したのが下記の図です。

図:ゴールドマンサックスの平均給与の推移

出所:ゴールドマンサックスのIR情報

2006年と2007年の平均年収は驚きの7,000万円越えです。この数字には一般社員の給料だけでなく役員報酬も含まれているためトップ層の圧倒的に高い報酬が平均を引き上げています。

しかしそれにしても、平均年収7,000万円というのは驚きの数字です。リーマンショック以降に給料は下がりましたが、それでも2016年の平均年収はいまだに3,700万円もあります。
 

日本における外資系金融の平均給与

メリルリンチ日本証券はホームページ上で財務情報を公表しています。その中で従業員数と人件費も開示されているので、平均給料を計算することができます。

図:メリルリンチ日本証券の平均給与の推移

出所:メリルリンチ日本証券
注記:2014年度は3月期決算、2015年度からは12月期決算。2015年度は4月から12月までの9か月決算なので、比較可能な給与データはなし

ゴールドマンサックスのグローバル平均には届きませんが、それでも2016年度の平均給与は3,100万円もあります。この数字は日本の全上場企業の平均年収よりも高いです。
 

ただし、メリルリンチ日本証券は年々従業員数を減らしてきています。

図:メリルリンチ日本証券の従業員数の推移

出所:メリルリンチ日本証券

これを見ると、残念ながら外資系金融がかつてのような右肩上がりの産業ではなく、規模を縮小している産業であると言えそうです。
 

おわりに

以上が私のヒアリングや実際のデータに基づく外資系金融の給与水準のまとめです。

外資系金融の実態や給与水準については、金融日記の藤沢氏が書いた下記の本にも詳しく書かれています。

外資系金融を志望する学生には必読の書です。


外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々

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