外資系投資銀行の給与の実態

高給取りで有名な外資系投資銀行の給与水準について、経験とヒアリング、財務データに基づいてまとめます。自分自身が外資系投資銀行に新卒で入社しているので、かなり実態に近い数字になっていると思います。

就職先としての外資系投資銀行の人気はかつてと比べると衰えてきています。かわりに商社や国内金融などの安定した企業への人気が高まっている気がします。給与水準はリーマンショック前と比べると下がってきている一方で、リストラ等の不安定さは変わらないのでそれもしょうがないのかもしれません。

しかし依然として外資系投資銀行の給与は日系企業と比べると高く、入社1年目から年収1千万を超える人は多く、入社10年もすれば東証一部上場企業の社長以上の給料を貰えるようになります。

目次

・外資系投資銀行の給与体系(一般論)
・日本における外資系投資銀行の給与水準(ベースサラリー)
・日本における外資系投資銀行の給与水準(ボーナス)
・部門による給与水準と労働時間の違い
・ゴールドマンサックスの平均給与の推移
・日本における外資系投資銀行の平均給与

外資系投資銀行の給与体系(一般論)

給料はベースサラリーとボーナスの2種類に分けられます。

ベースは年俸制で年間の給与が決められて、その12分の1が毎月の給料として支払われます。ベースサラリーはタイトル(役職)に応じて決まるため、年功序列の性質も強く、同期の間であまり差が付きません。

ボーナスは基本的に年1回で、M&Aのアドバイザリー等を行う投資銀行部門(IBD)が6~8月頃、トレーディングや株式営業等のマーケット部門が1~2月頃に振り込まれます。

ボーナスで一定額以上はストックオプションとなり、勤めている企業の株式の形で受け取ることになります。イメージですが、1,000万円ぐらいまでは現金で受け取り、それ以上の部分はストックオプションとして受け取ることになります。VP以上のタイトルの人はボーナスの一部がストックオプションであるケースが多く、常に自社の株価を気にしています。

福利厚生としては、リロクラブなどの外部の会社から福利厚生のパッケージが提供されます。ホテルやスポーツジムなどの割引券をたくさんもらえるイメージですね。

加えて手取り給料に大きく影響を与えるのが、住宅の借り上げ制度です。住宅を会社の名義で契約し、自分の給料から家賃が天引きされます。課税所得から家賃分が引かれるので、「家賃×所得税・住民税」の分だけ手取り収入が多くなります。

日本における外資系投資銀行の給与水準(ベースサラリー)

タイトル別のベースサラリーのイメージは以下の通りです。

・アナリスト1年目:750万円
・アナリスト2年目:900万円
・アナリスト3年目:1,000万円
・アソシエイト1年目:1,200万円
・アソシエイト2年目:1,300万円
・アソシエイト3年目:1,400万円
・ヴァイスプレジデント(VP):1,500万円~
・ディレクター/エグゼクティブ・ディレクター:2,500万円~
・マネージング・ディレクター:3,500万円~

VP以上になると転職組が多く、同じタイトルでもベースサラリーに差が出てきます。

最近では投資銀行部門で若手のベースサラリーを上げる動きがあり、マーケット部門よりもベースサラリーが高くなっているようです。若手の離職率があまりにも高く、優秀な新卒が商社などに流れているのが背景にあります。例えば投資銀行部門の場合、アナリスト1年目で900万円、アソシエイト1年目で1,500万円ぐらい貰えるようです。

マーケット部門でも会社ごとの方針によって、ベースの水準に差が出てきています。例えば同じ年次のアソシエイトでも、会社によって1,300~1,600万円ぐらいの差が出ます。業界としてベースの水準をあげてボーナスの水準を下げる傾向にあり、その傾向にどれだけ沿っているかで会社ごとのベースに差が出ているようです。

一般的な昇進のスピードはアナリスト3年間→アソシエイト3年間→VPとなっていますが、これは個人の能力に応じて変わってきます。アナリストやアソシエイトを2年間しかやらずに飛び級で昇進するケースもあれば、逆に昇進に4年間かかる人もいます。同期の間でも昇進のスピードやベースの水準によって給料はかなり大きな差が出ます。

日本における外資系投資銀行の給与水準(ボーナス)

ボーナスはその年の会社の業績や個人の成績によってかなり変わってきます。なので下記のボーナスの金額は私の周囲へのヒアリングに基づくイメージです。

アナリスト:~1,000万円程度
アソシエイト:~2,000万円程度
ヴァイスプレジデント(VP):~3,000万円程度
ディレクター以上:ピンキリ

ボーナスの金額は同じタイトルでもかなり差が開きます。私が入社3年目(アナリスト3年目)の時のボーナスは、同期と500万円弱の差がありました。入社1年目のボーナスですら、同期の間で50万~400万円ぐらいのばらつきがありました。

ベースとボーナスを合わせると、入社1年目で年収1,000万円程度になり、IBDやトレーダーなどの給料の高い部署だと、入社3~4年目ぐらいで年収2,000万円ぐらいのレベルまでいきます。VPまで昇進すると年収2,000万~5,000万円ぐらいになると思います。

ベースとボーナス合わせた年収1億円を稼いでいるプレイヤーは、以前と比べるとかなり数が減っていると思います。投資銀行部門で大きな案件を取ったディレクター以上や、マーケット部門のトップトレーターやトップセールスなど、本当に一握りの人だけが年収1億円以上を稼いでいるイメージです。

後程紹介するゴールドマンサックスの平均年収も、リーマンショック前と比較するとかなり下がってきています。

部門による給与水準と労働時間の違い

まずベースの水準に投資銀行部門とマーケット部門で差があります。

投資銀行部門のベースがマーケット部門の1年上の先輩と同じぐらいの水準というイメージです(例えば、IBDの3年目とマーケットの4年目のベースが同じぐらい)。

ボーナスの水準ももちろん部門によって差が出ます。

アソシエイトまでの若手のボーナスだと、投資銀行部門とトレーダーが最も高く、次いでセールス、リサーチという順番です。

労働時間は投資銀行>リサーチ>>>セールス>トレーダーという順番です。月の残業時間が投資銀行部門だと200時間を超えて、リサーチ部門だと150時間を超えるぐらいのイメージです。

時給換算するとトレーダーが最も高く、リサーチが最も安くなります。

ゴールドマンサックスの平均給与の推移

ゴールドマンサックス(GS)は世界一給料の高い会社として有名です。外資系金融はどこの会社も高給取りですが、日本でもGSの給料は他の外資系金融よりも高いと思います。

GSの決算書類より、平均給与を過去にさかのぼって計算したのが下記の図です。

図:ゴールドマンサックスの平均給与の推移
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2006年と2007年の平均年収は驚きの7,000万円越えです。この数字には一般社員の給料だけでなく役員報酬も含まれているため、トップ層の圧倒的に高い報酬が平均を引き上げています。

しかしそれにしても、平均年収7,000万円というのは驚きの数字です。リーマンショック以降に給料は下がりましたが、それでも2014年の平均年収はいまだに4,000万円です。

日本における外資系投資銀行の平均給与

メリルリンチ日本証券はホームページ上で財務情報を公表しています。その中で従業員数と人件費も開示されているので、平均給料を計算することができます。

図:メリルリンチ日本証券の平均給与の推移
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ゴールドマンサックスのグローバル平均には届きませんが、それでも2013年度の平均給与は2,800万円です。この数字は日本の全上場企業の平均年収よりも高いです。

以上が私のヒアリングや実際のデータに基づく外資系金融の給与水準のまとめです。
外資系金融の実態や給与水準については、金融日記の藤沢氏が書いた下記の本にも詳しく書かれています。

外資系金融を志望する学生には必読の書です。


外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々

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