当記事では、市場の景況感が分かるリビジョンインデックスについて詳しく解説します。
リビジョンインデックスを見ると、市場が企業業績に対して強気になっているのか、弱気になっているのかという景況感が分かるようになります。
相場の見通しを考える時にはよく使われる指数ですので、この記事でリビジョンインデックスの定義や使い方について学びましょう。
リビジョンインデックスでアナリスト予想の変化を探る
リビジョンインデックスの定義
リビジョンインデックスとは、アナリストの業績予想のトレンドを指数化したものです。
「リビジョン」という言葉の直訳は「修正」ですが、リビジョンインデックスを見れば「アナリストの予想修正のうち上方修正と下方修正のどちらが多いのか」を知ることができます。
リビジョンインデックスの定義は以下の通りです。
リビジョンインデックスの定義
リビジョンインデックス=上方修正された企業の割合-下方修正された企業の割合
リビジョンインデックスは各証券会社が公開していますが、証券会社によって対象の銘柄もアナリストの予想も異なります。ですので、リビジョンインデックスの数値は証券会社によって異なるので注意が必要です。
また、リビジョンインデックスを計算する時は「3か月前の予想と現在の予想を比較して、修正があったかどうかを判定する」ことが多いです。
リビジョンインデックスの具体例
例えば100社の業績予想を公開している証券会社があったとして、業績が上方修正された会社が40社、下方修正された会社が20社、修正なしが40社だったとします。
この場合、上方修正された企業の割合が40社÷100社=40%、下方修正された企業の割合が20社÷100社=20%となるので、リビジョンインデックスは「40%-20%=20%」となります。
リビジョンインデックスの使い方
「アナリスト予想の変化から市場の景況感を探る」というのがリビジョンインデックスの基本的な使い方となります。
リビジョンインデックスは上方修正の数と下方修正の数を比較したものなので、プラスが大きいほど業績予想の上方修正が多く、アナリストが強気になってきている(つまり市場の景況感が良い)ことが分かります。
逆にリビジョンインデックスがマイナスの時は下方修正の方が多いため、アナリストが弱気に転じている(景況感が悪い)ことになります。
リビジョンインデックスのトレンドが上を向いている時は上方修正の数が増えて下方修正の数が減っているということなので、景況感が改善していることを表します。逆にリビジョンインデックスが低下している時は、景況感が悪化しています。
リビジョンインデックスの推移が分かるサイト
リビジョンインデックスは各証券会社に口座を開けば数値を見ることができますが、おすすめなのはマネックス証券の銘柄スカウターです。
例えば、野村證券のリビジョンインデックスは野村証券のアナリストしかカバーしていません。大和証券やSMBC日興証券のリビジョンインデックスも、それぞれの証券会社が抱えているアナリストの予想しか反映されません。それだとどうしても予想に偏りが出てしまいます。
一方でマネックス証券のリビジョンインデックスは、主要な証券会社の予想をすべて対象にして計算されているので、証券会社ごとの偏りは出ずに、市場全体の景況感がより鮮明に反映されています。
マネックス証券の銘柄スカウターは、口座開設した人であれば無料で見ることができます。
マネックス証券でリビジョンインデックスの推移を見る方法
続いて、マネックス証券でリビジョンインデックスを見る方法を解説します。
まずマネックス証券にログインしてから、銘柄スカウターのページに行きます。銘柄スカウターの上のタブの中に「アナリストの予想変化」というメニューがあるので、そこをクリックするとリビジョンインデックスを見ることができます。
そしてこちらがマネックス証券のリビジョンインデックスのグラフです。TOPIXの推移と一緒に見ることができるのが便利です。
上のグラフの赤い線がリビジョンインデックスの推移となります。青いバーが上方修正された回数で、赤いバーが下方修正された回数です。
マネックス証券のリビジョンインデックスは他の証券会社とは計算方法が少し異なり(意味や使い方は同じです)、上方修正の回数から下方修正の回数を引くことでアナリスト予想のトレンドを指数化しています。
ちなみに、マネックス証券では「リビジョンインデックス」という言葉は使わずに、「アナリストの予想変化」と呼んでいます。
マネックス証券のリビジョンインデックスの定義
リビジョンインデックス=上方修正された回数-下方修正された回数
※修正回数は今期アナリスト予想と来期アナリスト予想を銘柄毎に期間で案分して合算
リビジョンインデックスを使う時の注意点
リビジョンインデックスを使う時に注意してもらいたいのは、アナリスト予想の変化は株価に対する遅行指標であるということです。
アナリストの業績予想は良い決算・悪い決算があった後に修正されることが多く、その時には株価はすでに動いてしまっています。つまり、アナリストは業績や株価に後追いする形で予想を修正する傾向があるので、リビジョンインデックスも株価に対する先行指数というよりも、株価に対して遅れて反応する遅行指数であると言えます。
ですので、リビジョンインデックスがプラスに転じると「上方修正の回数が下方修正の回数を上回った」ということなので「アナリストが強気に転じたこと」が分かるんですが、そこから株式市場に対して強気になっても遅いです。
リビジョンインデックスを見る時は「プラスなのかマイナスなのか」よりも「トレンドが上向きか、下向きか」に注目しましょう。
業種別のリビジョンインデックスを見る
また、マネックス証券では業種別のリビジョンインデックスも見ることができます。
下の画像はリビジョンインデックスのメニューバーとなりますが、「業種一覧」や「業種別グラフ一覧」をクリックすると、東証33業種のリビジョンインデックスを比較して見ることができます。右側の眼鏡マークのところで見たい業種を選択すると、業種別のリビジョンインデックスを長期で表示することも可能です。
試しに、「業種別グラフ一覧」をクリックしてみると、以下のようにリビジョンインデックスの推移を業種別に比較できるので便利です。
リビジョンインデックスについてまとめ
最後に、リビジョンインデックスについて当記事で解説してきたことをまとめます。
まとめ
- リビジョンインデックスはアナリストの予想変化のトレンドを指数化したもの
- リビジョンインデックスを見ることで、市場の景況感(強気か弱気か)を読み取ることができる
- リビジョンインデックスを見るならマネックス証券がおすすめ
- リビジョンインデックスを見る時は「プラスかマイナスか」よりも「トレンドが上向きか、下向きか」に注目する
以上になります!
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