株式投資

コロナショックで暴落した株式相場を振り替える

2020/03/04

コロナショックで暴落した日米の株式市場について簡単に振り返ってみようと思います。

株価暴落が起きた背景、その後の反発、日経平均で意識されているラインについてお話しします。

突然やってきたリスクオフムード

まず暴落直前の2月19日ですが、この日はナスダックもS&Pも引け値ベースで過去最高値を更新して、市場は完全にリスクオンのムードでした。アメリカの住宅市場や物価などの経済指標が堅調。そして決算が好調だった半導体株や金利上昇の恩恵を受ける金融株も上がりました。

翌日20日は一時的にダウが400ドル近く下げてリスクオフの展開となりましたが、午後にはディフェンシブ銘柄などに買いが入って、終値ベースでは若干のマイナスにとどまりました。

そして21日から一気にリスクオフムードが始まり、S&P 500は21日の終値3,337.8から28日の終値2,954.2まで11%も下がりました。1週間で10%以上も下げたのはリーマンショック以来の出来事であり、そしてピークから10%下げるまでかかった日数は過去最短だったそうです。

なぜ相場が崩れたのか?

相場が崩れたきっかけはいくつかありそうですが、一番のトリガーは中国以外の国(イタリアや韓国)でコロナウイルスの感染が拡大したことです。下のグラフは中国以外で新たにコロナウイルスだと診断された人の数の推移ですが、22日頃から増え始めているのが分かります。

相場下落のきっかけはコロナウイルスの感染拡大だったわけですが、その後の下落を加速させたのはロングに偏っていた機関投資家の投げ売りです。

まず、景気回復を期待してポジションがロングに偏っていたマクロ系ファンドやロングショートファンドの売りがが入ります。

そしてアルゴ取引を行っているCTAやリスクパリティ運用の売りも遅れて入ります。

リスクパリティ運用の売りについてはロイターの記事こちらのブログ記事に詳しく書かれていますが、ボラティリティ(VIX指数)が大きく上昇したことで株式のポジションを強制的に減らす動きが出ました。

下のグラフのオレンジ線がVIX指数となります。

<リスク・パリティ・ファンド>
ボラティリティーの上昇は、どのようなルートで株安・債券安(金利上昇)をもたらすのか。1つのカタリスト(触媒)となるのが、リスク・パリティ戦略を採るファンドだ。

近年最も成功したファンドとされるリスク・パリティ・ファンドは、システム(アルゴリズム)系のプレーヤーで、各アセットのボラティリティーを均等化(パリティ)する戦略をとる。高リスク資産は相対的に低いウエート、低リスク資産は高いウエートに調整。相場急変時の損失を最小化する。

マクロ系ファンド、ロングショートファンド、そしてリスクパリティ運用による売りでS&P 500は節目を下抜けたため、今度はリスクパリティ運用と同じくアルゴリズム取引を行っているCTAの強制ロスカットでさらに下げを加速することになりました。

ここまでが先週の株価暴落の背景となります。きっかけはコロナウイルスの感染拡大でしたが、その後は機関投資家の投げ売りという需給の悪化で相場が下がったことになります。

これが流動性相場の怖いところで、金余りや楽観的な見通しで投資家のポジションが買いに偏っていると、市場の揺り戻しが起こった時に相場は滝のように一気に崩れます。

3月2日から相場は反発

「落ちてくるナイフはつかむな」という相場の格言通り、先週はとても株を買えるような状況ではありませんでした。

しかし2月28日にパウエルFRB議長が「経済を支えるために適切に行動する」と発言してから米国株は反発を始めます。3月2日には日銀の黒田総裁の「潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく」という発言が発表され、実際に2日には過去最大となる1,002億円のETF購入が実施されました。

さらに先ほど出た最新のニュースによると、3日の夜にG7の財務省・中央銀行総裁が緊急の電話会議を開き「あらゆる適切な政策手段を用いる」という共同声明を発表しました。

これから各国は協調的に金融緩和の方向に動く見通しで、17~18日に開催が予定されているFOMCでは利下げが確実視されています。このブログ記事を書いている間にFRBが50bpの緊急利下げを発表しました。リセッション回避に向けた緊急対応と思われます。

欧州中央銀行(ECB)や日銀はすでにマイナス金利となっているので、マイナス金利の深掘りが行われるのかどうかが注目されます。

日経平均はPBR 1倍が意識される

下のグラフの赤線が日経平均、青線がPBRの推移ですが、日経平均は過去に何度もPBR 1倍のところで反発しており、今回もまだこのラインを割ってません。

PBR 1倍は20,500~21,000円ぐらいなので、このあたりを日経平均の底値として意識しつつ、もしさらに状況が悪化して20,000円を割ることがあったらすぐに逃げた方が良さそうです。

ちなみにG7の共同声明が発表された後も米国株は今のところ上がるのか上がらないのかどっちつかずな展開ですね。

今日このままプラスで終えることができれば再びリスクオンの相場に戻りそうな気はしますが、はたしてどうなるでしょうか。。。

  • この記事を書いた人

上原@投資家

「株式投資で人生を豊かにする方法」をテーマに情報発信しています。機関投資家の視点で最新のマーケット情報&投資ノウハウをお届け。【経歴】外資系金融で日本株アナリスト→外資系ファンドのファンドマネージャー→ニート【現在の投資先】日本株、米国株、新興国株、エンジェル投資、国内不動産、海外不動産、仮想通貨、NFT。

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