景気循環から今後の日本株相場を予測する方法

『強気相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えてゆく(byジョン・テンプルトン)』
 

景気循環と株式相場のサイクルは密接につながっているので、景気循環を把握できれば、今後の株式相場を予想しやすくなります。景気の状況に応じて最適な投資戦略を実行するためには、景気循環への理解は欠かせません。

景気循環と株式相場の関係について解説します。

景気は循環し、波の組み合わせにより勢いが変わる

景気には「回復期→好況期→後退期→不況期」という4つの循環局面があります。

そして「回復→不況」までかかる期間によって、景気循環はいくつかの種類に分かれます。

約40ヵ月の在庫投資循環であるキチン循環(短期)、設備投資循環と呼ばれる10年周期のジュグラー循環(中長期)、そしてコンドラチェフ循環と呼ばれる約50年の長期景気循環(超長期)などです。
 

それぞれの景気循環の詳細はまた別の機会に解説しますが、景気には短期・中期・長期の循環があり、それぞれの波の組み合わせによって景気動向の勢いが変わります。

例えば、短期循環と中期循環の波が一致して共に上昇局面に入ると記録的な好景気が続いたり、逆に短期循環が下降局面に入っても中期循環が上向いている局面だと、景気の落ち込みが比較的小さくなったりします。
 

なぜ景気はずっと安定せずに、このように山と谷を繰り返して循環的に動くのでしょうか?

その背景についてはこちらの記事でまとめていますので、時間がある時に読んでみてください。

ビルゲイツも絶賛する経済の基本原則
 

株式相場の循環は景気循環に先行する

景気循環と同じように、株式相場のサイクルには「金融相場(上昇)→業績相場(上昇)→逆金融相場(下落)→逆業績相場(下落)」という4つの局面があり、この相場サイクルは景気循環に対して先行します。

  • 金融相場:不況期では企業業績の悪化が続きますが、金融緩和と財政政策によって将来の景気回復期待が生まれ、不景気の株高となる「金融相場」が起こります。金融相場によって、まだ景気が悪い状態でも株価の上昇が始まります。
  • 業績相場:その後は徐々に景気が回復し、企業業績の拡大にけん引されて株式市場は「業績相場」へと移行します。景気・株価共に上昇局面となるのが業績相場です。
  • 逆金融相場:徐々に景気が過熱化して物価が目立って上昇を始めると、今度は金融引き締めにより「逆金融相場」と呼ばれる弱気相場になります。この段階ではまだ景気は絶好調ですが、株価は景気のピークアウトを懸念して下落を始めます。
  • 逆業績相場:金融引き締めによって景気が後退し、企業収益がマイナスに転じると株式相場は株価の底値圏である「逆業績相場」へと入っていきます。逆業績相場では景気・株価共に下降局面となります。

 

不況時であっても金融緩和によって将来の景気回復期待が高まれば、実際に景気が回復するよりも前に株価は上がり始めます。

逆に好況期であっても、金融引き締めが行われると将来の景気ピークアウトを懸念して、実際に景気が悪化するよりも前に株価が下がり始めます。
 

このように、株式相場は景気サイクルに先行して動きます。

実際に景気サイクルと株式相場がどのように動いているのか、グラフを見てみましょう。
 

日本の景気循環と株価の関係性

日本の景気循環の現状を知るには内閣府が公表している景気動向指数が便利です。

景気動向指数は雇用や生産などの景気と密接にかかわる指標を統合することで、景気の現状を把握するために作られた統計指標です。

景気動向指数には景気動向に先行する先行指数、一致する一致指数、遅行する遅行指数の3種類があります。
 

以下の図は1985年からの景気動向指数(一致指数)と日経平均の推移です。

グレーでハイライトしてある期間は景気動向指数が低下している「景気悪化局面」となります。

青いラインが日経平均ですが、グレーの景気悪化局面に入る少し前にピークを打って下落が始まっています(グラフ内のひし形マーク参照)。

株式相場は景気循環に先行することが、この図からもよく分かると思います。

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