当記事では、
「日本では高配当株投資が勝ちやすい」
という事実をデータを元に解説した後に、
- 高配当株の選び方
- 高配当株のチェックポイント
- 銘柄選びが面倒な人向けの高配当株投資
について紹介しようと思います。
日本では「配当利回りが高い銘柄への投資」が利益を出しやすい
日本では「配当利回りの高い銘柄への投資」は利益が出やすいです。
これは過去の実績が証明しています。
下のグラフは黄色い線がMSCI Japan Index (MSCIジャパン)という日本株全体の株価指数で、青い線がMSCIジャパンの高配当利回り銘柄の株価指数です。
出所:MSCI
MSCIジャパンというのは日経平均やTOPIXと同じ日本株の株価指数です。日本人投資家の間ではあまり馴染みがないですが、海外ではよく使われている指数です。
青い線のMSCI Japan High Dividend Yield Index (MSCIジャパン高配当利回り指数)というのはMSCIジャパンの中でも特に配当利回りが高く、クオリティの高い銘柄だけで構成された株価指数となります。
グラフを見れば明らかですが、配当利回りが高い銘柄が集められたMSCIジャパン高配当利回り指数は、日本株全体の指数であるMSCIジャパンを大きくアウトパフォームしています。
MSCIジャパン高配当利回り指数には、(1)安定して配当を支払ってきた実績がある、(2)今後も配当を払い続ける余力がある、(3)配当利回りが平均以上に高い、という「高配当銘柄」としての特徴に加えて、(4)ROEが高い、(5)利益が安定している、(6)財務体質が安定している(D/Eレシオが低い)、などの「クオリティの高い」という特徴も兼ね備えた銘柄が含まれています。
- 安定して配当を支払ってきた実績がある
- 今後も配当を払い続ける余力がある
- 配当利回りが平均以上に高い
- ROEが高い
- 利益が安定している
- 財務体質が安定している(D/Eレシオが低い)
このように、日本では「配当利回りが高くてクオリティが高い銘柄」への投資は成果が出やすいことは歴史が証明してくれています。
なので、長期投資をするのであればMSCIジャパン高配当利回り指数に含まれているような銘柄を選ぶと、確率的に投資で勝ちやすくなると思います。
ちなみに、MSCI Japan Indexには300~400銘柄が含まれており、MSCIジャパン高配当利回り指数には100~200銘柄が含まれています。
MSCIジャパン高配当利回り指数の構成銘柄を調べる方法
MSCIジャパン高配当利回り指数の構成銘柄はMSCIのホームページで見ることができます。
上記ページの真ん中に以下のような株価指数を選べるタブがあるので、「JAPAN HIGH DIVIDEND YIELD」を選んで「GET CONSTITUTIONS」をクリックしてください。
するとこんな感じでずらっとMSCIジャパン高配当利回り指数の構成銘柄が出てきます。
このリストに出てきた銘柄の中から自分の好きな企業を選んで投資するというのも1つの戦略ですね。
高配当・高クオリティな銘柄をスクリーニングしよう
MSCIのインデックス構成銘柄をマネするだけでは面白くないので、バフェット・コードを使って「高配当・高クオリティ」な銘柄をスクリーニングしてみましょう。
今回設定してみた条件は以下の通りです。
- 配当利回りが実績ベースでも会社計画ベースでも2.0%以上
- 配当性向が30%以上
高クオリティ銘柄としての条件
- 営業利益が過去3期連続で増益している
- ROEが8%以上、営業利益率が10%以上ある
- 純有利子負債がマイナス(ネットキャッシュ)
割高感がない
- PER×PBRが30以下
この条件で実際にスクリーニングしてみました。
スクリーニング結果は日によって変わるので、現時点での該当銘柄を知りたい人は上記のリンクから見てみてください。
2018年8月8日時点のスクリーニングによると、該当銘柄は以下の8社となりました。
- CDS(2169)
- テー・オー・ダブリュー(4767)
- アマノ(6436)
- 東京精密(7729)
- 日本バルカー工業(7995)
- 沖縄セルラー電話(9436)
- NTTドコモ(9437)
- ジャステック(9717)
これらん銘柄の高配当が今後も安定して続くのかどうかは精査が必要ですが、「高配当・高クオリティ銘柄への投資」の候補になると思います。
実際に各銘柄を精査する時は、
- 来期以降も増益トレンドは続きそうか
- 増配を維持するのに十分なキャッシュを生み出しているか
- 配当性向の拡大や自社株買いへの期待はないか
- 安定した業績を出すための競争優位性を有しているか
といったことを中心にチェックすると良いと思います。
高配当株の売り時はいつ?
では、高配当株を購入した場合、いつが売り時になるのでしょうか?
基本的には、先ほどスクリーニングの条件に設定したような「高配当」と「高クオリティ」という前提条件が崩れた時が売り時となります。
つまり、
- 株価上昇により配当利回りが市場平均を下回った時(市場平均はこちらで確認)
- 減益・減配の予兆がある時
が株の売り時となります。
銘柄を選ぶのも面倒くさい人向けの高配当株投資
「自分で銘柄を選ぶのは面倒くさい・・・」
という人には、ブラックロックが発行している「iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF」というETFがおすすめです。
MSCIジャパン高配当利回り指数と価格が連動するように設計されているETFなので、これを買えばMSCIジャパン高配当利回り指数に含まれる銘柄を全て保有した場合と同じパフォーマンスを得ることができます。
iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETFの詳細はこちら(ブラックロックHPへ)
このETFは東証に上場しているので、ネット証券に口座を持っていれば誰でも購入することができます。
銘柄コードは「1478」なので、口座にログインしたら普通の株式を探すのと同じ要領で「1478」で検索すれば出てくると思います。
まとめ
当記事では、「高配当株への投資が日本株市場では勝ちやすい」という事実をデータをもとに解説し、「具体的な高配当株の選び方」について紹介してきました。
このスクリーニング条件にマッチした企業への投資では株価10倍20倍という一発逆転を狙うことはできません。ただ、長期投資で安定したリターンが欲しい人にはおすすめの投資手法です。
投資する条件と売る条件が明確なので、株初心者の方でも実践しやすい手法だと思います。