3分で分かる!日銀短観を読むための基礎知識




日銀短観とは、企業の景況感や今後の見通しを知ることができる統計データです。1万社を超える企業へのアンケート調査に基づいた統計で、速報性もあるため市場からの注目度は非常に高いです。当記事では、日銀短観の読み方を基礎から分かりやすく解説します。

日銀短観の概要

  • 概要:日銀が1万社を超える企業に対して行うアンケート調査で、現在の景況感や今後の景気見通しを知ることができる
  • ヘッドライン:大企業の業況判断DI(Diffusion Index)
  • 発表:4月・7月・10月の初旬、12月の中旬(8時50分)
  • 出所:日本銀行
  • URL:https://www.boj.or.jp/statistics/tk/index.htm/

日銀短観とは?

日銀短観とは、日本銀行が全国の企業動向を把握して適切な金融政策の判断をするために行っているアンケート調査で、企業の景況感や経営計画について調査しています。日銀短観の正式名称は「企業短期経済観測調査」です。

高い回答率に基づいた企業動向の正確な把握速報性多様な調査項目充実した時系列データなどが特徴です。

業況判断DIとは?

企業に対して、最近と先行き(3ヶ月後)の業況全般について「(1)良い、(2)さほど良くない、(3)悪い」の3つの選択肢でアンケートを行います。そして、アンケート結果の「良い」の回答比率から「悪い」の回答比率を引いて指数化されたものが業界判断DIです。

すべての企業が「良い」と答えれば100、「悪い」と答えれば-100となります。「良い」と「悪い」の回答者数が半々になった場合はゼロとなるので、ここが景気の善し悪しを判断する境目となります。

業況判断DI(最近)の特徴

業況判断DI(最近)は回答時点における企業の業況についての情報を表します。

業況判断DI(最近)は景気循環や企業の売上高経常利益率との相関が高い一方で、株価や為替レートとの相関はあまり高くないという特徴があります。

業況判断DI(先行き)の特徴

業況判断DI(先行き)は企業が予想する3ヶ月後の業況についての情報を表します。

大企業の先行きの業況判断DIは、景気拡大局面ではやや慎重な見方となり、景気後退局面ではやや強気な見方となる傾向があります。
 

設備投資計画

業況判断DIに次いで注目度が高いのが設備投資計画です。

毎年3月調査から翌年度計画の調査が始まり、実績が確定する翌年6月調査まで計6回の調査があります。四半期ごとに設備投資計画がどのように修正されたかを見ることで、企業の設備投資意欲の変化を把握することができます。

2種類の設備投資計画

「含む土地・除くソフトウェア投資ベース」と「除く土地・含むソフトウェア投資ベース」の2種類が公表されています。

前者の「含む土地・除くソフトウェア投資ベース」はより長期の時系列データがあるので、日銀短観の公表時には注目されます。

一方で、付加価値を測る観点からは後者の「除く土地・含むソフトウェア投資ベース」の方が適切です。

設備投資計画の特徴

設備投資計画は初回調査(3月調査)では保守的な計画が出される傾向があり、2回目の6月調査では計画が情報修正されることが多いです。これは、6月調査では前年度案件のずれ込み分が上乗せされることが背景にあります。

その後、9月調査、12月調査、3月調査では計画が微修正された後、実績が確定する翌年の6月調査では逆に下方修正される傾向があります。翌年の6月調査では、工事の遅れや先送りされた案件の分が翌年度にずれ込むことが背景です。

なので設備投資計画の修正を見る時は、過去の調査における修正幅と比較することで、より正確に企業の設備投資意欲を把握することができます。
 

売上・収益計画

日銀短観では売上高、経常利益、売上高経常利益率などの企業の収益計画についても調査を行っています。

特に売上高と経常利益については上期と下期に分けて実額ベースで調査結果が公表されているので、注目度が高いです。

上期・下期計画の修正の特徴

企業は期初に通期の売上高・経常利益の計画を立てますが、上期実績が固まりつつあるタイミングでは年度計画の見直しは行いません。つまり、上期実績が計画を上振れ(下振れ)た場合は下期計画を下方修正(情報修正)することで、通期計画が維持される傾向があります。

この場合の下期計画には実態が反映されていないため、下期計画に解釈には注意が必要となります。
 

企業の物価見通し

企業の物価見通しは2014年3月調査から新たに加わった調査項目です。日銀短観の概要(業況判断DIや売上・収益計画など)が発表された翌日に公表されます。

「販売価格の見通し」と「物価全般の見通し」の違い

企業の物価見通しには「販売価格の見通し」と「物価全般の見通し」の2種類があり、それぞれ質問方法が異なります。

「販売価格の見通し」は、企業に対して「現在の水準と比べた1年後、3年後、5年後の価格見通し」を質問したアンケート結果です。

一方で「物価全般の見通し」では、消費者物価指数(CPI)をイメージした上で、物価全般の「前年比」が1年後、3年後、5年後にどうなっているかを聞いています。

日銀は物価の基調を判断する上で期待インフレ率を重視しているので、日銀短観の「企業の物価見通し」は非常に重要な項目となります。
 

その他の項目

価格判断:販売価格判断と仕入価格判断

販売価格判断DIと仕入価格判断DIは、企業の物価に対する戦略や今後の予想を知る上で欠かせない「企業のインフレ予想」となります。

例えば、仕入価格の上昇局面において販売価格の先行きDIが上昇するようなケースでは、今後の物価上昇の兆しと捉えることができます。

需給・在庫に関するDI

需給・在庫に関するDIには、(1)国内での製商品・サービス需給判断、(2)海外での製商品需給判、(3)製商品在庫水準判断、(4)製商品流通在庫水準判断の4種類があります。

(1)と(2)については「需要超過-供給超過」のアンケート結果となるため、ゼロを超えている場合は需要超過、下回る場合は供給過剰と判断することができます。

(3)と(4)については「過大-不足」のアンケート結果となるため、ゼロを超えている場合は在庫が積み上がっている状態にあり、下回っている場合は在庫不足であることを表します。

想定為替レート

日銀短観の概要の1ページ目には参考指標として事業計画の前提となっている想定為替レートが掲載されており、これも市場では注目されています。

参考資料

短観の読み方 ー主要項目の特徴とクセー

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