マネックス証券で口座を作ると「銘柄スカウター」という分析ツールが使えるんですが、これが無料なのに機能がめちゃくちゃ豊富でして、株式投資や企業分析をする人にはぜひ使ってもらいたいおすすめツールです。
マネックス証券に口座開設をしないといけないないので最初は登録に手間がかかります。ですが、無料で使える企業分析ツールとしては最も機能が豊富で、企業分析の効率が格段にアップすると思います。
- 投資のプロ(機関投資家)と同じレベルの情報にアクセスしたい
- 多機能なスクリーニングツールで有望銘柄を効率よく発見したい
- 会社四季報を無料で読みたい
- 企業の業績や株価、バリュエーションの長期トレンドを見たい
銘柄スカウターは、上記のような人にはぜひ使ってもらいたいおすすめツールです。
一度使い始めたら便利すぎて、二度と手放せなくなること間違いなしです。
当記事では銘柄スカウターでどんな事ができるのか詳細に解説していきますが、マネックス証券の口座さえ持っていれば無料ですべての機能が使えます。
興味がある人は、ぜひこちらから口座開設してみてください。
銘柄スカウターでできる企業分析のまとめ
銘柄スカウターでは以下の図のように、いくつかのタブに機能が分かれています。
それぞれのタブでは以下のような企業分析ができます。
タブ | 見れるもの |
---|---|
①企業分析 | 企業の基本情報、四半期決算の結果、10年分の長期業績 |
②セグメント業績 | セグメント別の売上・利益の内訳、過去の売上・利益の推移 |
③業績予想修正 | 会社予想修正の履歴、過去の業績実績と会社予想の比較 |
④配当 | 配当金の推移、配当利回り・配当性向の市場全体との比較 |
⑤アナリスト予想 | 市場コンセンサスの過去の変化、今後2年分のコンセンサス予想 |
⑥株価指標 | PER、PBR、配当利回りの過去5年間の推移 |
⑦業績ニュース | レーティング変更や会社予想変更などの業績関連ニュース |
⑧適時開示 | 企業の適時開示ニュース |
赤字で強調しているのは、私も個人的によく使う特に便利な機能です。
銘柄スカウターの各機能について、もっと細かく見ていきましょう。
①企業分析:企業の基本情報や四半期業績、長期業績をチェック
まずは「①企業分析」のタブをクリックしてみましょう。
ここでは「企業の基本的な情報」、「四半期決算の結果」、「過去10年分の業績チャート」を見ることができます。
企業概要やバリュエーションをざっくり把握する
企業分析のタブをクリックすると最初に以下のようなページが表示されて、①バリュエーション、②コンセンサス予想、③目標株価、④企業情報を見ることができます。
コンセンサス予想は証券会社のアナリストの利益予想の平均値で、目標株価はアナリストが設定している目標株価の平均値です。この2つを見ることで、市場がその会社にどれぐらいの業績と株価を期待しているのかを知ることができます。
④の企業情報の説明はとても分かりやすくて、その会社がどんなビジネスをやっているのかひと目で分かります。会社四季報やwikipediaよりも、その会社のビジネスをざっくり把握するにはマネックス証券の銘柄スカウターの方が便利です。
四半期業績の進捗、コンセンサス対比をチェック
そこから下にスクロールすると、四半期業績の進捗やコンセンサスとの比較を見ることができます。
これを見れば、四半期業績が前期やコンセンサスと比べて良かったのか悪かったのかひと目で分かります。
上の例では、1Qの実績がコンセンサス予想よりもかなり上振れており、通期計画に対する進捗率も41%と高い水準だったことが分かります。
10年分の長期業績トレンドをチェック
さらに下にスクロールすると、会社業績の長期トレンドを示したグラフが出てきます。
長期投資家にとって10年以上の長期の業績トレンドは必ず把握しておくべき項目だと思いますが、自分でグラフをつくろうと思うとかなり面倒です。
ですがマネックス証券の銘柄スカウターであれば、会社名で検索するだけで長期トレンドを簡単に把握することが出来ます。
10年以上の業績トレンドが無料で見れるサイトは、今のところ銘柄スカウター以外にありません。
②セグメント情報:事業別の売上・利益の内訳をチェック
「②セグメント業績」のタブでは、セグメント別の売上と利益の内訳が表示されます。
直近業績の内訳だけでなく、過去数年分の売上・利益の推移も見ることができます。
③業績予想修正:会社予想の修正履歴をチェック
続いて「業績予想修正」のタブに移動しましょう。
ここでは以下の図のように、会社予想が過去5年間どのように変化してきたのかが分かります。
この会社の例の場合、2014年3月期から2017年3月期までは下方修正が多かったようですが、2017年3月期の実績は最終的に会社予想を上回って着地し、2018年3月期は逆に上方修正が繰り返されるようになりました。
会社によって会社予想を保守的に出す会社と現実的な水準で出してくる会社に分かれます。業績予想修正の推移を見ることで、その会社の予想の出し方の特徴をつかむことができます。
⑤アナリスト予想:市場コンセンサスの変化をチェック
続いて「アナリスト予想」のタブに移動します。
先ほどは会社予想がどのように変化してきたかを見ましたが、こちらのページでは市場コンセンサスの変化を株価と一緒に見ることができます。
コンセンサスは株価の遅行指標であることには注意が必要ですが、上記のように株価の上昇と一緒に市場の期待値も切りあがってきていることが分かります。
コンセンサスの変化以外にも、レーティングの分布や目標株価の平均値、レーティングの変化もこのページで見ることができます。
コンセンサスや目標株価は証券会社のアナリストが公表している予想の平均値です。このページから市場がどれぐらいの利益をその会社に対して期待しているのかを把握することができます。
⑥株価指標:ヒストリカルバリュエーションをチェック
「株価指標」のタブに移ります。
このページでは会社予想ベースのPERと配当利回り、実績ベースのPBRの3年分のトレンドを見ることができます。
マネックス証券の銘柄スカウターはヒストリカルバリュエーションを見れる数少ないサイトのうちの1つです。
その会社が過去どれぐらいのバリュエーションで取引されてきたのかを見ることで、現在のバリュエーション(企業分析のタブで見れる)が過去レンジと比較して割安なのか割高なのかを判断することができます。
銘柄スカウターでできるその他の企業・株価分析
ここまで、銘柄スカウターの個別企業のページでできることを解説してきましたが、銘柄スカウターにはこの他にも企業間比較や決算情報のまとめ、スクリーニングなどその他にも便利な使い方があります。
銘柄スカウターのトップページに行くと、以下の図のように①銘柄を探す、②銘柄を比較する、③決算スケジュール、④アナリストの予想変化、⑤銘柄を探す、⑥業績ニュース、⑦適時開示のメニューがあります。
それぞれの機能の概要は以下の通りです。
機能 | 概要 |
---|---|
①銘柄を探す | 会社名や銘柄コードを入力して個別企業のページに移動 |
②銘柄を比較する | 財務指標やバリュエーション指標で企業を比較 |
③決算スケジュール | 今後の決算発表スケジュール、直近決算の通期予想に対する進捗率を一覧で表示 |
④アナリストの予想変化 | 市場の強気・弱気の景況感が分かるTOPIXのリビジョンインデックス |
⑤銘柄を探す | 「低レーティング銘柄の上方修正」や「高PER銘柄の下方修正」などの条件で銘柄をスクリーニング |
⑥業績ニュース | 証券会社の業績予想変更など、企業業績に関するニュースの一覧 |
⑦適時開示 | 「決算短信」や「自己株」など、適時開示ニュースのテーマ別の一覧 |
これらの機能について細かく解説します。
②企業の業績、株価、市場期待値を比較する
「銘柄を比較する」のタブでは、以下の図のように企業の業績やバリュエーション指標を表で比較することができます。
「グラフ」のタブをクリックすると、業績推移をグラフで比べることもできます。
比較する企業も自由に選べますし、比較する項目も業績やバリュエーション、セグメント売上など様々なものが選べます。
企業比較の表を作れるサービスはバフェット・コードなど他にもありますが、グラフで表示してくれるサービスは珍しいです。
③決算日程と四半期業績をチェック
次に「決算スケジュール」のページに移動してください。
決算スケジュールのページでは、以下の図のようにカレンダーにその日に何社の決算発表があるのかまとめられています。決算スケジュールが知りたい日程をクリックすると、発表時間や通期予想の数値が一覧で表示されます。
過去の日程をクリックすると、四半期利益の実績値と通期予想に対する進捗率が表示されているので、良かった決算と悪かった決算をまとめてみることができます。
④TOPIXのリビジョンインデックスをチェック
リビジョンインデックスは日本株の景況感(市場がどれぐらい強気/弱気なのか)を知るのにとても便利な指標です。
リビジョンインデックスとは、アナリストの業績予想の変化を指数化したものです。
証券会社のアナリストが上方修正した回数(下のグラフの青いバー)から下方修正した回数(赤いバー)を引いたものが薄い青い線です。そして青い線のトレンドを把握するための3週移動平均が赤い線であり、リビジョンインデックスと呼ばれるものです。
リビジョンインデックスがプラスであるということは、下方修正の企業よりも上方修正の企業の方が多いことを意味します。そしてリビジョンインデックスが上向いている時は、上方修正の企業が増えて(あるいは下方修正の企業が減って)市場の期待値が切りあがっている局面であると言えます。
市場が株式市場に対してどれぐらい強気・弱気なのかを知るのにとても便利な指標です。
リビジョンインデックスを見れるサイトはかなり珍しいので、これだけでもマネックス証券に口座を開設する価値があると思います。
市場全体のリビジョンインデックスだけでなく、上の図の右上から好きな業種を選ぶことができます。業種別に市場の景況感が分かるので、今後のポートフォリオ構築にも役立ちます。
⑤株式スクリーニングでお目当ての銘柄を発見
株式スクリーニングでは、以下のようにあらかじめ決められたテーマで銘柄を探すことができます。
業績や株価指標、テクニカルの条件でスクリーニング
銘柄スカウターで探せる銘柄のテーマは6つしかありませんが、マネックス証券では別のスクリーニングツールで業績や株価指標、テクニカル指標などの条件で銘柄を探すこともできます。
銘柄スカウターのページからマネックス証券のトップページに移動します。
トップページの上の部分には以下のようにいくつかのタブがありますが、「投資情報」のタブの中にある「スクリーニング」を選んでクリックしてみましょう。
すると以下のようなスクリーニングツールが表示されます。
売上や利益、バランスシートなどの業績情報、バリュエーション指標やテクニカル指標、アナリストからの評価など様々な指標でスクリーニング条件を設定することができます。
選べる条件の種類が多く、しかも誰でも簡単に使える仕様になっているので、かなり優秀なスクリーニングツールだと思います。
ためしに「売上・利益の成長率は高いのにバリュエーションはあまり高くない企業」を探すために以下の条件でスクリーニングをしてみました。
このように自分の投資方針に沿ってスクリーニングを行うことで、投資銘柄を探す時間が大幅に削減できます。
チャートの形から銘柄を探すチャートフォリオ
マネックス証券ではスクリーニングツールがさらにもう1つあります。
それがチャートフォリオという機能です。
チャートフォリオは銘柄スカウターと同様に、以下の図のようにトップページの右下から起動することができます。
チャートフォリオを起動すると以下のように様々なチャートの形から銘柄を探すことができます。
以上のように、マネックス証券には「テーマから探す簡単スクリーニング」、「業績や株価スクリーニングから探す詳細スクリーニング」、「株価チャートの形から探すチャートフォリオ」という3つのスクリーニングツールがついています。
これらを活用することで銘柄探しの効率を大幅アップすることができると思います。
マネックス証券ではJPモルガンのアナリストレポートも読める!
ここまで紹介してきた機能だけでも、無料で使えるツールとしてはかなり便利で多機能です。ですが、あともう1つだけ目玉機能を紹介させてください。
それが、JPモルガンのアナリストレポートです。
個別銘柄のページの右上にある「レポート」というところをクリックします。
そうすると以下のようにアナリストレポートの一覧がずらっと出てきます。
マネックス証券ではJPモルガンとTIWのアナリストレポートが読めるようですが、JPモルガンのレポートが断然おすすめです。
マネックス証券は外資系証券のアナリストレポートが無料で読める唯一のプラットフォームじゃないかと思います(マネックス証券はたぶんこのために年間数千万円のお金をJPモルガンに支払ってるはず。。。)
マネックス証券の企業分析ツール活用法まとめ
長々と説明してしまいましたが、以上でマネックス証券でできる企業分析の解説は終わりです。
これだけの機能を全て無料で使えるなんて信じられないです。
投資する銘柄探しや企業分析の効率が格段とアップすること間違いないと思います。
無料登録で全ての機能が使えるので、とりあえず登録しておいても損はないと思います。