これは中期的な視点の投資手法です(1~2年ぐらい)。
中期で投資をするなら、株価上昇中の人気銘柄の勢いに乗ろうとするよりも、市場で注目されていない評価の低い銘柄に投資をした方が稼ぎやすいと思っています。
赤字事業を抱えていたり、競合に比べて収益性が劣る市場での評価の低い企業の利益が出るようになった時、株価は大きく上昇します。
しかし、評価の低い企業を買いにいくのは勇気が必要です。
そこで、評価の低い企業の株を買う時のポイントをまとめてみました。
暴落相場は大歓迎だが、暴落している銘柄を買うのはリスク大
リーマンショックなどの暴落相場の後は、利益が出ている良い会社の株まで割安で放置されることが多いです。
しかし、株式投資には「落ちてくるナイフをつかむな」という格言があります。
これは、暴落している銘柄を買いにいくと、さらに株価が下がって大怪我をすることがあるという意味です。
暴落している株価がどこで止まるかは誰にも分かりません。
市場の心理で株価が動くので、理論的にはあり得ないレベルで株価が動きます。
暴落している銘柄を買い下がるのは、リスクが高い投資行動だと思います。
理想的な買いのタイミングは、「株価低位安定」と「悪材料への無反応」
暴落している銘柄を買いにいくのはリスクが高いですが、暴落した後にはチャンスがたくさん転がっています。
リーマンショックのような大暴落の後には、本来は売られる必要もなかった優良企業の株価まで割安な水準で放置されやすいです。
また、個別の悪材料で大きく下げた株を見つけたら、その後の動向を注視します。
理想的な買いのタイミングには、2つの条件があります。
1つ目は、株価の低位安定です。
株価がかつてよりも低い水準で、低位安定したボックス圏相場を形成している、またはTOPIXとほぼ連動した値動きをしていることが1つ目の条件です。
2つ目の条件は、悪材料に反応しなくなることです。
その会社についての悪材料でも、マクロ要因での悪材料でもどちらでも構いません。
ちょっとした悪材料が出ても株価が下がりにくくなった時、市場はその企業の悪材料出尽くしのタイミングを見計らっています。
株価が低位安定のボックス圏相場を描いていて、悪材料が出ても反応しにくくなった時が、低評価株を買う絶好のタイミングだと思います。
買える低評価株の条件
ボックス圏相場から株価が下に行くことも頻繁になります。
低評価の企業の利益が更に悪化し、株価が暴落なんてことにならないために、買える低評価企業の条件を考えてみます。
- 一過性の要因(一時的なコスト増、生産トラブル等)で利益が圧迫されている
- 成長に向けた種まきを行っており、先行投資費用で利益が圧迫されている
- その企業の利益には関係のない悪材料で株価が売られている
- 業績がシクリカルに変動する企業の場合、売上高がボトムの時を狙う
- 人員削減や工場の統廃合など、将来にプラスに働くリストラを実行
- 業界が構造不況に陥っていないこと(構造不況の例:液晶テレビ、造船)
- 競合他社の撤退が見込める(または、当該会社の赤字事業からの撤退が見込める)
- 経営陣の交代など、会社として変わる兆しが見える
- 製品の技術革新などにより、競合他社からのシェア奪取が見込める
思いつくままに挙げてみましたが、共通している条件は、「一時的な要因により利益が圧迫されており、将来のROE改善が見込めること」だと思います。
低収益の企業が将来的に高収益企業に変われるかどうかがは、予想するのが難しいです。
そのため、低収益な企業の株式を闇雲に買うのはリスクが伴います。
しかし、その低収益が一過性の要因だったり、将来の利益回復のための種まき(成長投資やリストラなど)をやっている場合、利益回復の確度は高くなります。
そういう企業を先ほどの「低位安定&悪材料に反応しにくい」タイミングで買うことができれば、株式投資で勝つ確率を上げられると思っています。
市場からの評価が低い銘柄は、買っている人が少ないからそこからさらに下がるリスクが少ないですし、良い材料が出て市場から再評価された時のアップサイドも大きいです。
リスク要因は利益がさらに悪化する可能性と、再評価までに時間がかかって投資したお金が「デッドマネー」になることですね。
短期の投資にはおすすめできませんが、中長期の投資手法としては稼ぎやすい手法だと思っています。
アベノミクスが始まる前の日本では、モメンタム投資よりもリターンリバーサルを狙う逆張りの方が中期投資では稼ぎやすかったです。
アベノミクスが始まって日本の多くの企業の株価が上昇し、リターンリバーサルよりもモメンタム投資の方が稼ぎやすい投資環境に変わりました。
いつまでもこの状況が続くとは思いませんが、少なくとも2014年はモメンタムの方が超過収益につながりやすい有効なファクターだったようです。