大阪（夢洲）のカジノ関連銘柄17社のまとめ

大阪は日本にカジノ（IR）が誘致される場合の最有力候補地と言われています。大阪にカジノが誘致された場合に恩恵を受けそうな「大阪カジノ関連銘柄17社」をまとめます。

いろいろなサイトでカジノ関連銘柄はまとめられていますが、どこのサイトよりも詳しく丁寧に解説することを心がけています。

大阪市（夢洲）はカジノ誘致の筆頭候補！

現在、カジノ誘致に向けて積極的に動いている自治体は大阪市、横浜市、苫小牧市（北海道）、佐世保市（長崎県）の4都市です。

この他にも北海道（釧路市、留寿都村）、愛知県（常滑市）、和歌山県（和歌山市）、東京都（台場）、千葉県（成田市、千葉市）、沖縄県などが候補地として挙がっています。

そんな中、大阪の夢洲は数あるカジノ候補地の中でも最有力候補と言われています。

大阪の夢洲が最有力候補と言われている理由は2つあります。

大阪府は万博誘致の成功を見据えて、カジノを含む統合型リゾート（IR）を2024年に夢洲に開業することを目指しています。スケジュール的にはかなりギリギリの状況ですが、万博とカジノの相乗効果を狙っています。

図：夢洲の目指す姿

大阪のカジノ関連企業の一覧

夢洲にカジノが開業された場合、以下のタイプの企業が恩恵を受けると考えています。

ちなみに、ここでは大阪のカジノ関連銘柄だけをまとめています。大阪以外への誘致でも恩恵を受けるようなカジノ銘柄については以下の記事をご覧ください。

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それぞれの銘柄について詳細を以下でまとめます。
 

１．夢洲及びその近郊で土地・倉庫をを持っている企業

夢洲もしくはその近郊に土地・倉庫を持っている企業は、山九、上組、横浜冷凍、三菱倉庫、住友倉庫、日新、鴻池運輸が当てはまります。これらの会社は夢洲の再開発による土地価格の上昇や倉庫の物流増といった恩恵がありそうです。

夢洲に土地を持つ企業：山九、上組、横浜冷凍

夢洲は大阪港に近いというロケーションから、現在は倉庫が立ち並ぶ物流センターとして使われています。そして以下の写真のように、山九（9065）、上組（9364）、横浜冷凍（2874）がそれぞれ物流倉庫のための土地を保有しています。

大阪市のホームページによると、夢洲の物流用地が2013年7月に競争入札により売りに出され、山九が4万2,936㎡の区画1を26億9,300万円で、上組が4万541㎡の区画2を24億4,500万円で落札したようです。

有価証券報告書によると、横浜冷凍も夢洲に物流倉庫を持っているようです。

表：横浜冷凍が保有する設備の一覧（2017年9月期有報より）

山九（9065）、上組（9364）、横浜冷凍（2874）の3社は、夢洲の再開発で土地の売却益による恩恵を受けられそうです。

夢洲で倉庫を運営している企業：三菱倉庫、住友倉庫、日新

夢洲に土地を持っているかどうかは確認できなかったのですが、三菱倉庫（9301）、住友倉庫（9303）、日新（9066）の3社は夢洲で倉庫を運営しており、夢洲の再開発で恩恵があるかもしれません。

夢洲のコンテナ埠頭は「夢洲コンテナターミナル株式会社」という会社が管理・運営を行っています。そしてこの夢洲コンテナターミナル株式会社の株主には、山九と上組の他に三菱倉庫、住友倉庫、日新の名前があります。

夢洲の土地を誰が所有しているのかまでは調べ切れていないのですが、少なくとも上記の会社は夢洲で倉庫を運営しているようです。

三菱倉庫（9301）、住友倉庫（9303）、日新（9066）の3社は夢洲の再開発で何かしらの恩恵を受けられそうです。

また、住友倉庫は大阪の心斎橋エリアに不動産をたくさん保有しているので、カジノ開業により心斎橋の賃料が上がれば、賃料収入アップという形でも恩恵がありそうです。

夢洲近郊で倉庫を運営する企業：鴻池運輸

鴻池運輸は夢洲には倉庫を持っていないのですが、以下の地図のように夢洲のすぐ隣の島「舞洲」に倉庫を保有しており、舞洲も含めて再開発が行われた場合には恩恵があるかもしれません。

加えて、鴻池運輸は関西国際空港でグランドハンドリング業務（飛行機への荷物の搭降載や飛行機の清掃など）も行っているので、カジノへの来場者が増えればこの事業の売上高は増えそうです。
 

２．沿線経済の活性化が見込まれる鉄道会社

夢洲につながる鉄道の開発や鉄道沿線の価値向上で恩恵を受けられそうなのは、京阪ホールディングス（9045）、西日本旅客鉄道（JR西日本、9021）、南海電気鉄道（9044）、阪急阪神ホールディングス（9042）の4社です。

現在の夢洲へのアクセスは自動車に限られていますが、カジノと万博の誘致が決まれば鉄道の整備も進む見込みです。現状では、地下鉄中央線、京阪中之島線、JR西日本桜島線の3つの路線で延伸案が出ています。

京阪ホールディングス（9045）：夢洲と京都を結ぶ企業

京阪ホールディングスは京阪電気鉄道や京阪百貨店、ホテル京阪などを運営している会社です。

京阪電気鉄道の中野道夫社長は、夢洲へのカジノ誘致に成功した場合、京阪中之島線を現在の終点である中之島駅から延伸し、地下鉄中央線の九条駅に接続する構想を表明しています。

地下鉄中央線も夢洲までの延伸が計画されているため、京阪中之島線と地下鉄を相互直通させることで、夢洲のIR施設に訪れる客を大阪・京都方面へ呼び込むことができます。

また、京阪ホールディングスはUSJや京都で複数のホテルを経営しているため、カジノが誘致されれば観光客増加につながり、ポジティブな恩恵がありそうです。

京阪ホールディングスの社長も「IR（夢洲）と京都を結ぶことが京阪の最大の使命」と強いメッセージを出しています。

西日本旅客鉄道（JR西日本、9021）：大阪駅と夢洲を22分でつなぐ

JR西日本は桜島線を現在の終点である桜島駅から夢洲まで伸ばすことを検討しています。桜島線が夢洲まで行くことになれば、大阪駅から夢洲駅まで所要時間22分の直通電車で行けるようになります。

大阪市の橋本前市長が桜島線の延伸に積極的でしたが、もともとJR西日本は延伸に慎重なスタンスでした。

しかし2018年4月に発表された中期経営計画では、「夢洲への桜島線延伸の検討」が盛り込まれました。

地下鉄中央線や京阪中之島線に比べるとスピード感は遅いですが、桜島線の延伸計画に対して前向きな姿勢に変わってきているようです。

南海電気鉄道（9044）：大阪中心部に多数のオフィスビルを所有

2015年4月28日の日経新聞によると、南海電気鉄道の山中CEOが「カジノ法案が成立すれば、大阪で事業主体となる企業連合に加わる」、「夢洲でバス路線整備や施設運営などを検討する」というコメントをしたようです。

南海電気鉄道は大阪の難波や和歌山と関西国際空港を結ぶ「南海電鉄」という鉄道を経営している会社です。

鉄道やバスを運営する運輸業が利益の40%強を稼いでいますが、その他にも沿線にある不動産やショッピングセンター、レジャー施設の運営などによる利益も60%弱あります。

大阪にカジノが誘致された場合、南海電気鉄道は運営主体として開発にかかわる可能性があるだけでなく、関西国際空港の利用者増や沿線経済の活性化（ショッピングセンターやレジャー施設への来場者増加、不動産価格の上昇）による恩恵もありそうです。

阪急阪神ホールディングス（9042）：大阪地盤の私鉄・不動産・ホテルを経営

阪急阪神ホールディングスは阪急電鉄・阪神電気鉄道・阪急阪神不動産・阪急交通社・阪急阪神エクスプレス・阪急阪神ホテルズの6社を統括している持ち株会社です。

大阪と神戸や京都を結ぶ私鉄、大阪駅周辺の不動産やホテルの経営を行っているので、カジノが開業すれば利用客増加で恩恵が見込まれます。

夢洲の再開発とあわせて、梅田エリアの再開発も推進中です。
 

３．IR施設の建設で恩恵を受けるゼネコン

夢洲のIR建設で恩恵を受けられそうなゼネコンは奥村組（1833）、五洋建設（1893）、大林組（1802）、錢高組（1811）の4社です。

大阪に本店があり、かつ上場しているゼネコンは奥村組（1833）と錢高組（1811）です。

奥村組（1833）は道路や鉄道などのトンネル関係の案件に強く、鉄道の延伸工事で受注が取れる可能性がありそうです。奥村組は夢洲の再開発ですでに受注実績があるので、大阪カジノ関連のゼネコンとしては本命銘柄となります。

錢高組（1811）はビルや橋などの施工実績が多い会社ですが、大阪で300年以上の歴史がある超老舗企業なので、もしかしたらカジノ開発でも何かしらのかかわりが持てるかもしれません。錢高組はカジノ関連としてはほとんど注目されていないので、大穴狙いの銘柄となります。

五洋建設（1893）は海上土木工事では国内最大手として知られている準大手ゼネコンです。夢洲の再開発でもトンネル工事で受注実績があるので、カジノ関連でも受注を取れる可能性があると思います。

大阪に本店があるわけではありませんが、日本のゼネコン大手5社の一角である大林組（1802）は大阪の公共事業に強く、大阪市庁舎や大阪府咲洲庁舎の施工を手掛けています。
 

４．その他の大阪カジノ関連銘柄

オリックス（8591）：カジノ運営事業者に参画するかも？

オリックスは大阪にカジノが誘致された場合、IRの運営事業者として参画することが期待されています。

2015年4月14日のBloomberg記事にて、オリックスの井上社長が「大阪の複数の企業とカジノ誘致計画への共同参画を検討している」、「当社の持つ資金調達、ホテルなどの施設運営ノウハウを生かせる」とコメントしました。

ダイビル（8806）：保有不動産の値上がり期待

ダイビルは大阪市に本社がある商船三井グループの不動産デベロッパーです。

ダイビルが保有する物件情報を見ると、大阪の中心部に多数のオフィスビルを所有しています。大阪にカジノが誘致されれば、カジノ関連企業のオフィス需要増加や大阪市の不動産価値上昇といった恩恵を受けられそうです。
 

大阪のカジノ関連銘柄のまとめ：本命はどこ？

大阪のカジノ関連銘柄の一覧をもう一度載せておきます。

この中でも特に恩恵が大きいと思える本命銘柄は、夢洲に土地を持っている山九・上組・横浜冷凍、鉄道の延伸や沿線経済の活性化が見込まれる京阪ホールディングス・南海電気鉄道、夢洲のIR建設で受注を取れそうな奥村組、カジノ運営事業者に参画するかもしれないオリックス、の全7社だと思います。

その他の会社も大阪のカジノ開業はもちろんポジティブだと思いますが、会社の規模から考えると影響度合いは上記の本命銘柄よりは小さくなるんじゃないでしょうか。

最後に、大阪カジノ関連銘柄の財務指標を比較できるバフェットコードへのリンクを載せておきます。以下のリンクに飛べばいつでも上記銘柄のバリュエーションを比較することができます。

バフェットコードで大阪カジノ関連銘柄を比較する