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MACDの有効性をビットコインで検証してみた【テクニカル分析道場】

2018/12/28

ビットコインのトレードでMACDがどれぐらい有効なのか、Tradingviewのバックテスト機能を使って検証してみました。

MACDだけを使ったシンプルなトレードに加えて、MACDと長期移動平均線MACDとボリンジャーバンドの組み合わせについてもバックテストで検証をしています。

MACDはビットコインのトレードでどれぐらい有効なのか?

まずはMACDの売買シグナルだけを使ったシンプルなトレードでどれぐらい利益が出るのか検証してみました。

取引ルールは以下の通りです。

  • 買いエントリー:ヒストグラムがゼロラインを上抜け
  • 売りエントリー:ヒストグラムがゼロラインを下抜け

日足、4時間足、1時間足、1分足のそれぞれで取引を行った場合の検証結果は以下の通りです(無料ユーザーなので過去5000本の足データで検証)。

日足でのバックテスト結果

4時間足でのバックテスト結果

1時間足でのバックテスト結果

1分足でのバックテスト結果

それぞれの結果をまとめると以下のようになります。

日足 4時間足 1時間足 1分足
リターン 282% 338% 0% 1%
取引回数 49回 305回 671回 1221回
勝率 49% 43% 38% 37%
PF 2.6 1.7 1.0 1.0
最大ドローダウン ▲18% ▲14% ▲72% ▲6%
平均トレード 6% 1% 0% 0%

PF(ロフィットファクター)=総利益÷総損失
平均トレード=総損益÷取引回数→一回の取引で稼げる平均金額

この結果を見る限りだと、日足と4時間足ではプロフィットファクターも高くて有効なテクニカル指標と言えますが、1時間足以下ではほとんど利益が出ていません。

1時間足と1分足での勝率が低いのは、(1)短い足ではだましが多い、(2)MACDが勝ちやすかった2017年後半から2018年前半までの取引があまり含まれていない、の2つが背景にある気がします。
 

2018年春までと2018年後半の相場の違い

バックテストの結果をもう少し詳しく見てみます。

以下は2018年4月~12月における日足での売りと買いのタイミングです。

今年の後半からは明確なトレンドが少なくてヨコヨコの展開が多かったため(下図の青線で囲まれた場所)、MACDではあまり利益が出しにくそうな相場です。

一方で昨年から今年の春ごろまでは、トレンドが明確でMACDで大きく利益を出している時期が多数あります。

バックテスト結果の勝ちトレードの大部分はこの時期のものです。
 

MACDと他のテクニカル指標を組み合わせたトレード戦略

MACDだけを使ってもあまり利益を出せそうにないので(特に2018年後半の相場では)、他のテクニカル指標と組み合わせるとどうなるのかを検証してみます。

MACDと200SMAを組み合わせたトレード戦略

長期移動平均線(200SMA)に対するロウソク足の位置関係でトレンドを判断し、MACDを使ってトレンド方向にエントリーする戦略(上昇トレンドの時は買いエントリーのみ)を検証してみます。

取引ルールは以下の通りです。

  • 買いエントリー:「終値が200SMAよりも上」かつ「ヒストグラムがゼロラインを上抜け」
  • 買いのクローズ:ヒストグラムがゼロラインを下抜け
  • 売りエントリー:「終値が200SMAよりも下」かつ「ヒストグラムがゼロラインを下抜け」
  • 売りのクローズ:ヒストグラムがゼロラインを上抜け

日足、4時間足、1時間足、1分足のそれぞれで取引を行った場合の検証結果は以下の通りです。

日足でのバックテスト結果

4時間足でのバックテスト結果

1時間足でのバックテスト結果

1分足でのバックテスト結果

それぞれの結果をまとめると以下のようになります。

日足 4時間足 1時間足 1分足
リターン 232% 206% 156% 1%
取引回数 20回 138回 315回 668回
勝率 60% 51% 38% 29%
PF 8.3 2.1 1.6 1.0
最大ドローダウン ▲6% ▲15% ▲18% ▲9%
平均トレード 12% 1% 1% 0%

条件を厳しくしてエントリー回数を減らしているので日足と4時間足ではトータルの利益額は減っています。

ですが、1分足を除いて勝率やPF、最大ドローダウンは大きく改善しました。取引回数が少ないので統計的な優位性はありませんが、日足でのPFが8を超えてかなり高くなっています。

MACDは単体ではあまり使えなくても、長期の移動平均線でトレンドを判断することで勝率を高めることができそうです。

MACDとボリンジャーバンドを組み合わせたトレード戦略

続いて、MACDとボリンジャーバンドを組み合わせた順張り戦略です。

MACDがシグナルとクロスして相場の反転が起きた後に、価格がボリンジャーバンドの2σを超えたら順張り方向にトレードをします。

だましを回避するために、「エントリーはMACDがクロスしてからロウソク足5本以内」という条件も加えます。

取引ルールは以下の通りです。

  • 買いエントリー:ヒストグラムがゼロラインを上抜けてから5本以内に終値が+2σを超えたら買いエントリー
  • 買いのクローズ:終値が+2σのラインを下抜けしたらクローズ
  • 売りエントリー:ヒストグラムがゼロラインを下抜けてから5本以内に終値が-2σを下抜けしたら売りエントリー
  • 売りのクローズ:終値が-2σのラインを上抜けしたらクローズ

日足、4時間足、1時間足、1分足のそれぞれで取引を行った場合の検証結果は以下の通りです。

日足でのバックテスト結果

4時間足でのバックテスト結果

1時間足でのバックテスト結果

1分足でのバックテスト結果

それぞれの結果をまとめると以下のようになります。

日足 4時間足 1時間足 1分足
リターン ▲10% 184% 80% ▲0%
取引回数 9回 66回 159回 122回
勝率 33% 56% 45% 30%
PF 0.4 6.2 2.7 1.0
最大ドローダウン ▲13% ▲7% ▲18% ▲1%
平均トレード ▲1% 3% 1% ▲0%

4時間足と1時間足では良い結果が得られましたが、日足と1分足はぼろぼろですね。

だましが多くてエントリーして1~2本の足ですぐにクローズすることが多かったようです。

過去検証を行わないテクニカル分析はただのギャンブル

ネットには様々なテクニカル分析のやり方が書かれていますが、本当にそのやり方で利益が出るのか検証したことはありますか?

  • 本やサイトに勝ちやすいって書かれている手法だから・・・
  • 稼いでいるあの人が使ってる手法だから・・・

そんな理由でテクニカル指標を使っている人がほとんどだと思います。

でも、そんな曖昧な理由で大切なお金をトレードするのって怖くないですか??

過去のチャートをちゃんと検証して、期待値でプラスになるようなルールを発見することが投資で勝つためにはとても大切だと思っています。

というか、検証もせずに投資をしてもそれはただのギャンブルでしかありません。

テクニカル分析の検証ならTradingviewがおすすめ

テクニカル指標の有効性をバックテストで検証するには、Tradingviewというツールがとても便利です。

ビットコインだけでなく株や為替のテクニカル分析ができて、自分オリジナルのインジケーターを作ることもできます。

バックテストでテクニカル指標の有効性を検証することができるので、「なんとなく有効そうなテクニカル指標を使う」のではなく自分のトレードの勝率や期待値が明確に分かるようになります。

無料プランでも十分な機能が揃っていますが、有料プランも30日間は無料でお試し利用できます。

投資家必須のチャートツールだと思いますので、この機会にぜひ登録しておいて下さい。

  • この記事を書いた人

上原@投資家

「株式投資で人生を豊かにする方法」をテーマに情報発信しています。機関投資家の視点で最新のマーケット情報&投資ノウハウをお届け。【経歴】外資系金融で日本株アナリスト→外資系ファンドのファンドマネージャー→ニート【現在の投資先】日本株、米国株、新興国株、エンジェル投資、国内不動産、海外不動産、仮想通貨、NFT。

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