ロボアド運用

日本株ロボアドWealth Wing 高パフォーマンスの秘密を調査

これまで素晴らしい運用パフォーマンスを出してきたWealth Wingというロボアド。

しかし、実際の運用手法についてはほとんど公開されていません。

そこでこの記事では、Wealth Wingの運用担当者である福田さんをお招きして、Wealth Wingの運用手法について根掘り葉掘り聞いていこうと思います。

  • Wealth Wingではどのような運用が行われているのか?
  • なぜこれまで良いパフォーマンスを出せてこれたのか?

これがWealth Wingの運用の中身を明らかにしたおそらく最初の記事だと思います。

Wealth Wingでの運用を検討している方はもちろん、自分で個別株運用をしている方にとっても参考になる内容にできたらと思っています。

Wealth Wing運用担当者のご経歴

上原:
福田さん、本日はよろしくお願いします。まずは福田さんのご経歴について簡単に伺ってもよろしいでしょうか?

福田さん:
はい、よろしくお願いします。

もともとは日系の大手の証券会社のトレーディング部で、データ分析のチームに配属されていました。そこで機関投資家向けにデータ分析やパフォーマンス分析のサービスを提供していました。

その後に別の証券会社に転職して、10年間プロップディーラー(※ 証券会社のお金を運用して稼ぐための部署)をやっていました。その時の運用手法が今のWealth Wingで提供している運用となっています。

その後に個人投資家を10年間やってたんですが、プロップディーラーの時と同じ戦略で運用するにはデータを買うだけでも年間500万以上のお金がかかるので、個人投資家の時は違うやり方で運用していたんです。

その時に思ったのが、私がプロップディーラーで運用していたものを個人投資家に提供できたらすごく価値がありそうだな、って考えたんです。パフォーマンスは出るんですがすごくお金がかかるやり方だったので、これは個人では絶対にできないんですよね。

私が個人投資家をやっていた時も、少ない金額でも同じことができたらいいなってずっと思ってたんです。そんな時に株式会社スマートプラス(注 Wealth Wingを提供している会社)とご縁があって、今はWealth Wingの運用担当者をやらせてもらっている、という感じです。

Wealth Wingの運用戦略について

上原:
どうもありがとうございます。

それではここからは、Wealth Wingの運用戦略について具体的にお聞きしていきたいと思います。

まず、Wealth Wingを始める時は自分で運用戦略を選ぶことになると思うんですが、全部で何個の運用戦略があるんでしょうか?

福田さん:
Wealth Wingには全部で8個の戦略があります。下の画像のように、それぞれの景気サイクルに合わせて勝ちやすい戦略を全部で8個ご用意しています。

コードのP01~P08というのがポートフォリオの分類で、その右側にポートフォリオ名を載せてあります。

コードポートフォリオ名
P01財務健全高収益高成長ポートフォリオ
P02バランス型高収益高成長ポートフォリオ
P03積極投資型高収益高成長ポートフォリオ
P04高効率高成長ポートフォリオ
P05高成長高キャッシュフローポートフォリオ
P06財務健全高キャッシュフローポートフォリオ
P07低リスク高収益高成長ポートフォリオ
P08低リスク高企業価値ポートフォリオ

上原:
Weath Wingでこれらのポートフォリオを選ぶと、その後は完全に自動で売買されるんですか?

福田さん:
はい、完全に自動で売買されます。

例えばコードP01の「財務健全・高収益高成長ポートフォリオ」では、高収益で高成長かつ、財務が健全で割安な高配当株という良いとこどりな銘柄を自動で選んでポートフォリオを作っています。

計算式が決まっているので銘柄が自動で選ばれるんですが、どんな銘柄が出てくるかは私も分からないんですよ。なので「あ、こんな銘柄を選んでくるんだ」と驚くこともあります。

投資する銘柄が出てきたら、最終的には私がチェックします。データが間違っている可能性もあるので、ちゃんとポートフォリオの条件を満たしているか確認しています。

人間が介在するのは最後のチェックの部分だけですね。

上原:
ちょっと専門的な話になってしまうんですが、ポートフォリオの回転率はどれぐらいあるんですか?
(※ どれぐらいの頻度で売買が行われているのか?という質問)

福田さん:
だいたい月に1~2回リバランスが行われていて、その時の回転率は15~20%程度になっています。
(※ 月に1~2回トレードが行われて、その時にポートフォリオの15~20%の金額が売買される)

なので、1年間経つとポートフォリオの中身がすべて変わっているということも起こります。

あと、銘柄の入れ替えが一番多く起こるのは本決算が出てくる5月ですね。そこで来期の業績が良い銘柄が組み込まれて、その後のトレードはあまり多くないです。

ポートフォリオの戦略によっても回転率は変わってきます。

例えば景気が良い時はグロース系のポートフォリオ、景気が悪い時は低リスクなバリュー系のポートフォリオがおすすめなんですが、バリュー・ポートフォリオだと株価の変動、つまり割安かどうかの影響を受けるので、自然と回転率が高くなります(※ 頻繁にトレードすることになる)。

一方でグロース系のポートフォリオだと、株価の影響は少なくてファンダメンタルズの方が重要なので、回転率を上げないでずっと引っ張った方が儲かる傾向があります。

上原:
ポートフォリオに組み込まれている銘柄数はだいたいどれぐらいですか?

福田さん:
今は各ポートフォリオそれぞれで23銘柄ぐらいに投資をしています。

もともとは18銘柄に投資していたんですが、将来的にもっと運用額が大きくなった場合は投資する銘柄数も増えてくると思います。

Wealth Wingが実践する王道な銘柄選択術

上原:
運用戦略や銘柄選択についてもっと詳しく聞かせてください。

それぞれの運用戦略はどういう特徴を持っているんですか?そして、どのように銘柄を選んでいるんでしょうか?

福田さん:
運用戦略については、景気サイクルに応じた様々な局面で、どんな特性を持った銘柄が勝ちやすいのかを機械学習で分析して、運用戦略のモデルを構築しています。

8個の運用戦略は、景気が良い時は積極的にリスクを取って、景気が悪い時はリスクを減らすようなポートフォリオになっているんですが、すべての戦略に共通するファクター(※ 銘柄の特性)があります。

細かくは言えないんですが、例えばこちらの画像の赤く囲っているファクターは、長期でずっと右肩上がりのリターンを出しているんです。

このように、景気の状況に左右されず、常に儲かりやすいファクターがあるんです。

福田さん:
これが特殊なファクターなのかというと実はそうではなくて、けっこう王道なんです。

高収益高成長で、財務が健全で割安・高配当という、投資の王道なんですよね。これを全部満たしていれば、上がる確率は必然的に高くなります。

なので、突拍子もないことをやっているわけではなくて、王道の投資を丁寧にリスクコントロールしながらやっているんです。

グロースとバリューに偏らない運用
グロース株が上がっている時はグロース株を利確してバリュー株を買って、逆にバリュー株が上がっている時はバリュー株を利確してグロース株を買うような運用をしています。

そうやって常にグロースとバリューのバランスが取れたポートフォリオを実現しています。

上原:
なるほど、すべてのポートフォリオが「高収益・高成長・割安・高配当」という特徴を持っていて、じゃあ8つのポートフォリオで何が違うのかというと、景気が悪い時向けのポートフォリオではリスク量を落として、景気が良い時向けのポートフォリオではリスクを取りに行っているというわけなんですね。

福田さん:
そうですね。

あとは運用戦略のもう1つの特徴として、グロースとバリューに偏らない運用を掲げています。

マーケットではグロース相場とバリュー相場が行ったり来たりしているので、グロース株が上がっている時はグロース株を利確しながらバリュー株を買って、逆にバリュー株が上がっている時はバリュー株を利確してグロース株を買うような運用をしています。

なので、グロースとバリューのどちらにも偏らないように、バランスが取れたポートフォリオを実現しています。

景気サイクルに応じた運用戦略の考え方

上原:
これら8つの運用戦略は、どんなことを考えながら作ったんでしょうか?

福田さん:
8つの運用戦略は、下の画像のような考え方がベースにあります。

株式市場ではファンダメンタルズはもちろん重要なんですが、価格を決定するのは需要と供給だと考えていて、お金が入ってくる時なのか出ていく時なのかを判断することが一番重要だと考えています。

例えば、景気が底入れから回復に向かう時って資金が一気に入ってきます。こういう時は流動性が高い銘柄が買われるので、時価総額が大きい優良企業の株価が上がりやすくなります。

お金が一気に入ってきてバケツの中の水がいっぱいになった後は、循環物色が始まります。今度は上がったものを売って割安なものを買う流れが起きます。それで割安感が是正されると、最終的には買われる銘柄がどんどん絞り込まれて、投資家の資金が集中するバブル銘柄が出てきます。

そうなってくると天井が近いなと感じて、このあたりからお金が流出し始めます。お金が出ていく時は安全性が高い銘柄に資金が流れていくので、上がっていた銘柄が売られて、優良企業や財務体質が健全な会社、キャッシュフローがちゃんと出ている銘柄が買われやすくなります。

最終的に景気が大底を打つような時は、誰も買っていないような流動性が低い銘柄が下がりにくくて、皆が買っていた流動性が高い銘柄が大きく売られるという流れになります。

このように、景気サイクルによって勝ちやすい銘柄・勝ちにくい銘柄の特徴があるので、それをもとにして8つの運用戦略を作っています。

8つの運用戦略の選び方

上原:
Wealth Wingで運用を始める時は運用戦略を1つ選ばなければいけないと思うんですが、参考までに過去のパフォーマンスが良かったのはどの戦略になるんですか?

福田さん:
過去の実績だとP07の「低リスク・高収益・高成長」のポートフォリオが一番良いパフォーマンスを出しています。

このポートフォリオはバリュー系が多くてボラティリティが低い銘柄が多いです。アメリカで政策金利が上がっていった2021~22年は厳しい相場でしたが、P07のポートフォリオは景気減速期に強いポートフォリオなので、この時期でも10%ぐらいのリターンを出すことができました。

最近(2023年6月頃)だと、P02~P04 の景気拡大期に強いポートフォリオのパフォーマンスが良くなっています。

上原:
逆にパフォーマンスが悪かった戦略はあるんですか?

福田さん:
これまでだとP03の「積極投資型・高収益高成長ポートフォリオ」のパフォーマンスが一番悪かったです。

グロース企業が多く含まれていて、内部留保がほとんどなくてお金をほとんど投資に回しているような銘柄に投資をしています。最近は内部留保が多くて株主還元に積極的な銘柄が上がっているので、トレンドに完全に逆行したポートフォリオになっています。

このポートフォリオ以外は、すべてTOPIXを上回るリターンを出せています。

上原:
各戦略の特徴やこれまでのパフォーマンスについてはすごくよく理解できました。

ただ、戦略を選ぶためには今の景気について考える必要があって、これはすごく難しいことだと思います。

どうやって景気を判断して戦略を選べばいいんでしょうか?

福田さん:
アプリで景気状態を選択する画面で黄色い棒グラフがあります。下に「投資家の見通し」という注釈がありますが、これは今投資している人たちがどの景況感を多く選んでいるのかを表しています。

なので、自分で景気状態を判断できない方は、この黄色い棒グラフが高いもの、例えばこの画像であれば2番(景気が回復から拡大に向かう局面)を選んでいただければと思います。

上原:
これなら初心者でも簡単に戦略を選べそうですね。

ちなみに、景気のサイクルに応じて運用戦略は頻繁に変えたほうがいいんでしょうか?

福田さん:
運用戦略を変える時には売買手数料がかかってしまうので、そんなに頻繁には変えない方がいいと思います。

戦略を変える頻度は、多くても3か月から半年に1回ぐらいがいいと思います。

売買手数料など、Wealth Wingのデメリットについては以下の記事を参考にしてください。
ロボアドWealth Wingのデメリットとリスク

上原:
戦略を変える時に手数料がかかってしまうなら、できるだけほったらかしにするのが良さそうですね。

だとすると、運用戦略を変えずに完全にほったらかしで運用するなら、どの戦略がおすすめですか?

福田さん:
これは投資家のリスク志向によると思います。

あまりリスクを取りたくない人は、低リスク系の運用戦略(P05~P08)を選ぶといいと思います。逆にリスクを取りたい方は、P01やP02などの景気拡大期に強いポートフォリオがおすすめです。

過去の実績を見ても、高リスクポートフォリオだとP01(財務健全高収益高成長ポートフォリオ)やP02(バランス型高収益高成長ポートフォリオ)が、低リスクポートフォリオだとP07(低リスク高収益高成長ポートフォリオ)やP08(低リスク高企業価値ポートフォリオ)のパフォーマンスが良く出ているので、このあたりから選んでいただくのがいいと思っています。

スマートヘッジ機能の活用方法

上原:
Wealth Wiingには、日本株全体が下がる局面でも損失を減らすためにスマートヘッジ機能があると思います。

これはどのように活用すればいいでしょうか?

福田さん:
スマートヘッジ機能は相場を当てようと思って使うのではなく(例えば、これから相場が下がることを予想してスマートヘッジ機能を使うなど)、お客様がこれ以上損をしたくないとか、相場に恐怖を感じている時に使ってほしいと思っています。

例えば、1年後に大きな支払いを控えていて、今はできるだけ損を出したくない。そんな時にスマートヘッジ機能を使ってほしいと思っています。

一番やってほしくないのは、マーケットのテクニカル指標を見て、売りだと考えてスマートヘッジ機能を使う、みたいなことはやめてほしいと思っています。テクニカル指標を見て逆張り投資をやる方は負けることが多いので、それは特に注意してほしいです。

まとめ

これまですごく良いパフォーマンスを出してきたWealth Wingですが、その運用戦略の秘密について細かくお話を伺いました。

8個のポートフォリオすべてが、「高収益・高成長で財務体質が健全なのに、株価は割安で高配当」という王道の投資手法で運用されていることがわかりました。

そして、景気サイクルに応じた銘柄の選び方は自分で個別株を運用している方にもとても参考になる内容だったと思います。

私自身、自分で個別株の運用を行っているんですが、Wealth Wingのパフォーマンスがあまりにも良かったので、実際にどんな運用が行われているのか気になってWealth Wingでの投資を始めました。

その理由については以下の記事に詳しく書いています。

以下のような方にはWealth Wingはおすすめできます。

  • 日本株に投資をしたいけど、自分で銘柄を選ぶのは大変
  • パフォーマンスが良い運用商品にお金を預けたい
  • 過去のパフォーマンスが良いWealth Wingがどんな銘柄に投資をしているのか知りたい

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Wealth Wingについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

  • この記事を書いた人

上原@投資家

「株式投資で人生を豊かにする方法」をテーマに情報発信しています。機関投資家の視点で最新のマーケット情報&投資ノウハウをお届け。【経歴】外資系金融で日本株アナリスト→外資系ファンドのファンドマネージャー→ニート【現在の投資先】日本株、米国株、新興国株、エンジェル投資、国内不動産、海外不動産、仮想通貨、NFT。

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