米国の長短金利差から日経平均株価を予想する方法




米国の長短金利差(10年債利回り-2年債利回り)から日経平均株価を予測する方法を紹介します。

企業業績が好調で株価の上昇が続いていると、いつが株価上昇のピークになるのかを意識するようになります。

そんな時に役立つのが米国の長短金利差です。

長短金利差の水準は景気後退と株価ピークアウトの先行指標として有名で、私たちに利益確定のタイミングを教えてくれます。

長短金利差は景気後退と株価ピークアウトのサイン

債券利回りは通常、長期の方が短期よりも高くなります。

しかし、FRB(米連邦準備理事会)が金融引き締めで利上げを行うと、長期金利よりも先に短期金利が上がり始めるので、短期金利が長期金利を上回る「逆イールド」が起きることがあります。

この逆イールドは景気後退の先行指標として有名で、株価ピークアウトのサインにもなります。

出所:https://fred.stlouisfed.org/series/T10Y2Y

上の図の青いラインが米国の長短金利差で、灰色になっているのが米国の景気が後退している時期です。

米国では1980年以来で景気後退を5回経験していますが、5回とも景気後退の前に逆イールドが起きています。
 

長短金利差と日経平均の推移

先ほどの図のように逆イールドは景気後退の先行指標になりますが、株価ピークアウトのサインとしても有効な指標です。

米国の長短金利差と日経平均の推移を見てみましょう。

上の図は濃い青いラインが米国の長短金利差(10年債利回り-2年債利回り)、オレンジのラインが日経平均株価です。

1980年前後の逆イールドの時は株価ピークアウトは起きていませんが、その後の3回の逆イールドは株価ピークアウトの先行指標となっています。

  • 1989年1月に逆イールド→1989年12月に株価ピーク(逆イールドから11か月後)
  • 2000年2月に逆イールド→2000年3月に株価ピーク(逆イールドから1か月後)
  • 2005年12月に逆イールド→2007年6月に株価ピーク(逆イールドから18か月後)

 

好景気が続いて株価の上昇が続いている時は、上記のように長短金利差をチェックすることで株価のピーク時期を予測することができます。

また、景気に過熱感が出てきたとしても、長短金利差がマイナスになっていない限りはまだ株式市場に強気スタンスを続けても大丈夫とも言えるでしょう。
 

なぜ長短金利差から日経平均を予想できるのか?

なぜ、長短金利差が景気後退と株価ピークアウトの先行指標になるのでしょうか?

その理由を説明するためには、まずは長期金利と短期金利がどのように決まるのかを理解する必要があります。

短期金利と長期金利に影響を与える要因

まず、短期金利は金融政策の影響を強く受けます。

日本では、日銀が市場に供給する資金量で短期金利をコントロールしようとします。

米国の場合は、FRBによる政策金利の上げ下げで短期金利の水準が変わります。

景気が過熱してインフレ懸念が生じている時に、FRBは政策金利を引き上げて景気を調整しようとします。

逆に景気が悪くて企業活動も低迷している時に、FRBは政策金利を引き下げて企業がお金を借りやすい状況を作り出し、景気回復を促します。
 

一方で、長期金利は景気動向や市場での資金需要によって決まります。

インフレ期待が高まったり経済成長への期待が高まったりすると、資金需要が増えて長期金利が上がります。

逆に景気が悪化して企業活動が低迷している時は、資金需要もなくなるので長期金利は下がることになります。

つまり、長期金利は景気が良い時は上がり、景気が悪い時は下がります。

通常時は「長期金利>短期金利」

通常は、長期金利の方が短期金利よりも高くなります。

長期国債の方が短期国債よりも信用力が低いので(10年後に借金を返してもらえる確率は2年後に返してもらえる確率よりも低い)、長期金利には短期金利にリスクプレミアムが上乗せされます。

逆イールド(長期金利<短期金利)はどんな時に起きるのか?

それでは、短期金利の方が長期金利よりも高くなる「逆イールド」はどんな時に起きるのでしょうか?

好景気が続いて景気に過熱感が出てくると、FRBはインフレを抑制するために政策金利を引き上げます。すると政策金利の上昇と連動して短期金利が上昇します。

政策金利が引き上げられてもすぐに景気が悪くなるわけではないので、しばらくは「長期金利>短期金利」の通常状態が続きます。
 

しかし、政策金利の引き上げが続いて景気が鈍化してくると、今度は実体経済における資金需要が減って長期金利が下がり始めます。

この時、政策金利の引き上げによって上昇した短期金利と、景気の鈍化によって下落した長期金利が逆転し、「逆イールド」が発生するんです。
 

最近の長短金利差の動向

米国の10年国債と2年国債の金利は、以下のサイトで最新のデータを見ることができます。

米国の国債利回り
 

長短金利差の動向をグラフで見たい場合はこちらのサイトも便利です。

米国の長短金利差の動向

米国の10年債利回りのグラフ

米国の2年債利回りのグラフ
 

ブルームバーグのデータを見ると、本日の長短金利差は以下の通りです。

  • 10年国債利回り:3.10%
  • 2年国債利回り:2.57%
  • 長短金利差:0.53%

 

以下のグラフを見ても分かる通り、日経平均株価はアベノミクスの恩恵もあり2012年から上昇傾向が続いていますが、長短金利差はどんどん縮小してゼロ近辺に向かってます。

米国は引き続き利上げを実施すると思うので、今後も短期金利は上昇が続くでしょう。

米国の経済は堅調で今のところ長期金利も上がっている状況ですが、いずれは景気が鈍化して長期金利も下落に転じるはずです。

そうなると、そんなに遠くない未来に短期金利が長期金利を上回る逆イールドが発生するかもしれません。

米国で逆イールドが発生した時は、日本の株式市場もピークが近いと判断すべきでしょう。

しかし一方で、今はまだ逆イールドが発生していないので、まだしばらくは株式市場に対して強気スタンス続けても大丈夫だとも言えそうです。

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